浄水器水栓の給水・給湯配管から「樹脂臭」が移るという事例


 

昨年の今頃、ある高級分譲マンションのキッチンで、施主から「浄水器が効かない」という連絡を受けた。

リフォームして2カ月たった頃のことで、朝の使い始めの水が「塩素臭い」のだという。それも、浄水器を通したときに必ず臭うのだが、午前中使っていくうちに臭いがなくなるのである。

そこで、メーカー担当者に来ていただき、何が原因かみてもらった。

「塩素臭い」ということだったため、メーカー担当者は塩素の有無を判断する試薬を持ってきていた。奥さんに汲んでおいてもらった水を一部ビーカーにあけて試薬を投入してみた。

しかし、塩素反応は無かった(残留塩素があれば、水がピンク色になるはず)。

その「汲み置き水」をあらためて飲んでみたところ、確かに臭う。塩素というか、薬というか、接着剤のような臭いである。

一方で水栓を開け、浄水器を通さない水を飲んでみると、何も臭わない。そして、それに試薬を投入すると、、、きれいなピンクになった。浄水器を通さない水には塩素が存在することがわかった。

ということは、浄水器は塩素を除去しているので「効いていない」ことはなさそうである。お客様が「塩素臭い」というのには、何か他の原因があるようだ。

結局その日は何が原因かわからず、メーカー担当者の宿題となった。

それから1カ月後、メーカー担当者がいくつか配管部品を持ってきた。浄水器水栓の樹脂製給水・給湯管であり、それら(純正)部品の取り換えを行なうという。浄水器水栓は配管が複雑で、取り替えるのにも少々時間がかかった。

配管交換が済み、数日たったところで施主に確認したところ、臭いはしなくなっているとのことであった。配管部品に原因があったようである。

メーカー担当者に聞いてみたところ、新品の配管の樹脂成分の臭いが水にうつっていたのではないかとのことである。取り替えた配管部品は、何らかの手段(熱湯を通すなど)でその成分を「飛ばした」ものらしい。ということは、新品であれば臭う可能性はどこのお宅でもあるということである。

浄水器水栓の場合、浄水器カートリッジを通過した後、吐水口から出ていくまでの間の水は塩素が除去されているため、夜間、水栓を使用しない間に雑菌が繁殖する可能性があり、朝、最初の水は「捨て水」する旨取り扱い説明書に記載されている。しかし、一次側からカートリッジに入るまでの配管については、「捨て水」では排出しきれず、樹脂製配管の臭いが残っていたと考えられる。

人が臭いを感じるか感じないかは、個人差があるので、全ての現場で指摘されるものではないかもしれない。しかし、原因が樹脂製配管にあるケースもあるということを憶えておいてもよいと思う。

 


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